家族旅行

Uncategorized

大学が春休みに入ったころ、娘と二人で家族旅行の話になった。

神奈川にいる長男は社会人7年目になる。
私は神奈川に一度も行ったことがなかった。

それなら、せっかくだから息子にも会いに行こう。

働いている次男にも声をかけてみると
「有給を取れるよ」と言ってくれた。

こうして家族三人で、2泊3日の旅行を計画することになった。

ホテルに荷物を置いて、まずは築地と浅草へ。
おみくじを引いたり、団子を食べたり。

家族で歩く時間は、気を使うこともなく、ただ居心地がよかった。

2日目は娘が行きたがっていた新宿の「ちいかわショップ」へ。
お店をいくつも回って歩いたので、普段あまり歩かない私は足が棒のようになった。

それでも不思議と楽しかった。

そのあと神奈川へ向かった。
長男が夕飯のお店を予約してくれていて、みんなでしゃぶしゃぶを食べた。

仕事の話。
何気ない日常の話。

ただそれだけなのに、とても楽しい時間だった。

夜、家族で神奈川の街を歩いた。

子どもたちは前を歩き、私は少し後ろからその背中を見ていた。

ふと、幸せだなと思った。

これまで色々なことがあった。
悩んだことも、つらかったこともあった。

子どもたちの将来を心配して、眠れない夜もあった。

それでも今、こうして子どもたちは
それぞれの場所で自分の道を歩いている。

街灯に照らされた背中が、
少し大きく、そして逞しく見えた。

ああ、もう大丈夫なんだ。

そんなふうに思えた。

もしかしたら、母親としての役目は
少しずつ終わりに近づいているのかもしれない。

これからは心配するのではなく、
ただ静かに見守っていこう。

神奈川の夜の道を歩きながら、
そんなことを思っていた。

あの夜見た子どもたちの背中を、
私はきっと、ずっと忘れないと思う。

タイトルとURLをコピーしました